今年も暑い夏がやってきた。
そんな夏、京都では「京の夏の旅」と銘打って文化財の特別公開がある。
今回は、「旧邸御室」の特別公開にでかけた。ここは京の夏の旅、初公開とのこと。
旧邸御室(きゅうていおむろ)とは立派な邸宅、つまり民家である。
昭和12年に建てられた昭和を代表する和風建築として、国の登録有形文化財に指定されている。
立派なお屋敷なんだろうな。

旧邸御室には嵐電に乗って行った。京都盆地の北西、仁和寺の近く。
とても風情のある御室駅で降りて、閑静な住宅街を少し歩くと見えてくる。

旧邸御室。
とても立派な門構え。さっそく中に入ってみよう。

木々に囲まれた、数寄屋造りの立派なお宅だ。
では、家の中へと上がらせていただく。

大広間から庭園を眺める。緑がとても鮮やかできれい。
机にも緑が反射して、より鮮やかさが引き立つ。
これって、床に景色が反射する実相院や、同じく机に反射する瑠璃光院を思い出すね。
瑠璃光院は机に敷いた透明なデスクマットに反射するんだけど、こちらは花梨の木から作られ磨き上げられた、立派な机そのものに反射する。

庭園を歩くこともできる。庭が斜面になっており、立体的で見ごたえがある。
一番奥は双ヶ岡という丘になっており、それを借景としている。個人のお宅とは思えないくらい素晴らしい。

庭園に出て振り返る。ここからも立派な建物であることがわかる。
この旧邸御室は、5~6年前まで実際に住んでおられたそう。製材所の創業者の方が住まれていて、現在はその会社が管理され各種イベントなどに使われている。
住宅として文化を守るために管理されているとのこと。創業者の娘さん自ら説明してくださった。なかなか維持が大変とおっしゃっていた。
旧邸御室ウェブサイトによると、イベントを開催するなどの用途で一棟貸しができるとのこと。

庭の斜面を登って見ると、家の向こうに山々が見える。京都郊外ののどかで閑静な場所だ。


登ったところに茶室「双庵」がある。眺めは抜群。


お庭から戻ってきて、お風呂をのぞかせていただく。このお風呂は現代的。
基本は民家なので、やっぱり使い勝手は大切。御影石が使われており、豪華な作りになっていた。


中庭も風情がある。
蔵もあって、中を垣間見ることもできた。いろいろとお宝が眠っていそうで、ちょっとワクワクする。

ここはお家なので居心地がよくて、暑さによる疲れもあって、なんだかまったり。
盛夏にこんな広間でぼんやりと鮮やかな緑を眺めていると、日本の夏を満喫したような気持ちになり、すっかり和んでしまった。

さて、旧邸御室を出て、再び嵐電に乗る。暑くて静かな夏の光景がここにも続いている。
そう、京都の暑い夏はまだまだ続くんだね。
PENTAX K-3II with SIGMA 17-70mm F2.8-4 & PENTAX 50-200mm F4-5.6
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