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平安京の表鬼門・日吉大社の厳かで静かな秋

by Cosmos

滋賀・坂本にとても立派で格式の高い神社がある。日吉大社。全国の山王さんの総本宮。
ここは、京都御所を中心とした京都盆地の東北に位置する。京都から見るとこの場所は鬼門にあたり、日吉大社はこの表鬼門に鎮座し、平安京を守っている。
そんな立派な神社を訪ねてみた。

坂本 穴太衆積みの石垣
坂本 穴太衆積みの石垣

坂本は、琵琶湖から比叡山へ向かう道沿いにある。山へ向かう道なので坂になっており、その名の通り坂の町。穴太衆積みといわれる石垣が街路を作っている。
比叡山延暦寺の門前町だけあって、落ち着いた雰囲気で歴史が残っている。このあたりは国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。

日吉大社 合掌鳥居
日吉大社 合掌鳥居

坂を登って、延暦寺への表参道で比叡山への登山口の前に日吉大社がある。
山王さんの総本宮だけあって、とても大きい神社。入ってみよう。

まずは鳥居が見えてくる。
あれっ、この日吉大社の鳥居は珍しい形をしている。手を合わせているような形なので合掌鳥居、あるいは山王鳥居と呼ばれる。
その由縁は、やっぱり奥が深い。

山王鳥居の特徴は明神鳥居の上部に三角形の破風(屋根)が乗った形をしていて、仏教の胎臓界・金剛界と神道の合一を表しているとされます。
山王信仰の象徴であるため、山王鳥居と呼ばれています。 
山王信仰とは、最澄が比叡山に天台宗を開いた折、唐の天台山の守護神「山王元弼真君(さんのうげんひつしんくん)」にちなみ、既に比叡山の守護神としてご鎮座されていた日吉大神を「山王権現」と称する、神仏習合の信仰です。
日吉大社オフィシャルサイト

比叡山延暦寺と日吉大社の深い関係、そして神道と仏教の融合(神仏習合)がここにみてとれる。

日吉大社 西本宮 楼門
日吉大社 西本宮 楼門

日吉大社は大きく分けて、西本宮、東本宮、奥宮に分かれる。
先ほどの合掌鳥居をくぐって、まずは西本宮から参拝。この立派な楼門は重要文化財。

日吉大社 西本宮 本殿
日吉大社 西本宮 本殿

西本宮本殿。
とても貫禄があって歴史の重みを感じるね。
1586年の造営。非常に貴重な建物で、国宝である。

境内には清流が流れていたり、苔むす杉の大木が数多くあったりして、荘厳で雄大な雰囲気に満ちあふれている。
たしかに、神様が住んでいても不思議ではない場所。

日吉大社 東本宮 楼門
日吉大社 東本宮 楼門

西本宮を離れて、東本宮へ。
比叡山の麓の豊富な自然。途中は森に囲まれ、厳かな雰囲気が続く。緑の中の朱色が鮮やかである。

日吉大社 東本宮 本殿
日吉大社 東本宮 本殿

東本宮本殿。
先ほど写真を載せた、西本宮と対をなす。こちらもとても立派。もちろん国宝である。

ちょっと見ていただきたいのは、この東本宮の写真にも西本宮の写真にも、誰も人が写り込んでいない。
これだけの建物なのに、写り込まないくらい参拝者が少ない。
他にも、重要文化財の神殿がいくつも建っているのに、参拝する人はそれほど多くない。人であふれる京都の有名神社では考えられないこと。
京都から山をひとつ越えると、これだけゆっくり拝観できて、場の神聖な雰囲気を感じられるということだね。

比叡山からの湧き水がいたるところに流れている。
木漏れ日に照らされる流れは清々しい。

お猿さんの絵馬が可愛い。
お猿さんは神様の使いで、「神猿(まさる)」としてここでは大切にされている。日吉さんと言えば猿である。
境内でも飼われていて見ることができる。狭いケージで窮屈そうだったけど…。

日吉大社 奥宮 八王子山
日吉大社 奥宮 八王子山

日吉大社奥宮。
日吉大社はここから始まったとのこと。
ご覧の通り山の上にあり、参拝するには往復1時間のハイキングが必要。
琵琶湖の眺めも良いとのことで、せっかくなので登りたかったんだけど、今回は時間の関係で残念ながら行けなかった。次回の課題。
奥宮への登山口には遥拝所が設けられているので、ここをお参りして代わりとし、日吉大社を後にした。

日吉大社は森に囲まれ、参拝者も京都の有名寺院より少なく、自然と歴史と神をゆっくりと五感で感じることができた。
日吉大社も有名寺院なので失礼だが、京都観光という点では、少しだけ離れた滋賀県に位置することで穴場的な存在なのかなとも思う。
ぜひ訪れて、世俗とは少し違うその空気をゆったりと五感で感じてもらいたいと思う。

PENTAX K-3II with SIGMA 17-70mm F2.8-4 & PENTAX 50-200mm F4-5.6


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