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京都嵯峨野の知られざる天国・平安郷の紅葉に驚く

by Cosmos

京都嵯峨野に「平安郷」という場所がある。
ほとんど知られていない、ガイドブックにも載っていない、秘密の花園。
それもそのはず、わずかな期間を除いて公開されることはない。
今回、紅葉の時期に一般公開される少しの期間を狙って、この知られざる場所を訪ねてみた。

嵯峨野・大覚寺の東に広沢池という大きな池がある。
風光明媚な場所で、時代劇などのロケ地としてもよく使われている。
広沢池やその近辺の写真は、上の過去記事に。

この広沢池の東岸に平安郷がある。上の写真が入口の門。
数年前にこのあたりを散歩していてここを見つけ入ろうとしたら、警備の人に止められてしまった。
入れないとなると、余計に入りたくなるのが人情というもの。きっと中は素晴らしい何かがあるに違いない。

そう思いつつ、はや数年。
入口の看板には「秋の一般公開」と書いてある。公開期間はたったの四日間。
とても狭き門であるが、いよいよ大手を振って中に入ることができるんだ!

平安郷 中門
平安郷 中門

平安郷中門。
入り口から立派な参道が続き、中門へ。やっとここが平安郷への入り口。どれだけ広いんだ。
それに、門から入るまでに、すでに立派な紅葉が見えている。これはすごそう。

さて、この中にはどんな景色が広がっているのだろう?
秘密のベールを剥ぐように、恐る恐る入ってみると…。

とても広い、そしてとても静か。
一面に楓の木がたくさん植えられていて、奥の山を借景にした素晴らしい景色。
満員電車のように混雑する紅葉の嵯峨野で、こんな静かな場所があるなんて。
まさに別世界だ。

苑内はとても広いので、もう少し散策してみよう。

楠風荘
楠風荘

平安郷の一角にある、楠風荘(なんぷうそう)。
有名な岐阜県白川郷の古民家を移築したものとのこと。
紅葉と相まって、とても風情がある。
この日ここでは、源氏物語の解説をするセミナーイベントが行われていた。

平安郷 広庭
平安郷 広庭

始めの緊張はどこかに行き、すっかりリラックスして、広い苑内をのんびりと散策。
遍照寺山の紅葉を見ながら秋を満喫する。

写真を見ていただくとわかるが、なんと休憩用に用意されている椅子が空いているんだよ。京都の紅葉の名所で、こんな空いているのは考えられない。
一般の人が入れる施設では、ここは穴場中の穴場だと思う。

さて、そんな知られざる平安郷って、いったい誰が運営しているんだろうか?

平安郷は、世界救世教いづのめ教団の聖地。
教祖がこの地をことのほか気に入って、ここに地上天国を作ろうと設けられた場所とのこと。
いや、ほんとに地上の天国のようだよ。

でも、天国だけあって訪れるのはそう簡単ではない。
宗教施設なので信者以外は立入禁止。でも、年に3回、それもほんの数日間だけ一般公開される。その時を狙って訪れなければならない。

見事な紅葉。そして地面には見事な苔。小道は雨が上がってしっとりとしている。
そして、写真には誰も写り込まないくらい人が少ない。こんな鮮やかな紅葉を独占していいのだろうか。

散った紅葉と苔が、斜めに差す西日をあびている。
晩秋を感じされてくれる、ちょっとした光景も素敵。

もう、こんな素敵な紅葉だけでお腹いっぱいになるのだが、まだ素晴らしい景色があるという。
この平安郷の敷地に東山という低山があって、そこからの眺めがきれいなので登ってみてくださいと、案内の方に勧めていただいた。
いや、ハイキングするつもりはないんだけど…と思ったが、その眺めを見ずに帰るのはあまりにも惜しい。

やっぱり、登ってみることにした。
と言ってもハイキングほどでもなく、それほどきつくなく整備された道を15分ほど歩くだけ。
途中も紅葉が綺麗で、それを眺めながら歩いているとあっという間に頂上に着いた。

平安郷・東山から見る広沢池
平安郷・東山から見る広沢池

ああ、なんと清々しい、そして美しい光景なんだろうか。
東山の山頂から、平安郷、広沢池、嵐山や小倉山まで見える。そして、空は秋晴れ。素晴らしすぎる。
まさに、地上の天国から見下ろしているかのようだ。

かなりの時間、この景色に見とれていたが、ふと我に返り下山する。

春遊亭・上の茶屋
春遊亭・上の茶屋

再び平安郷へ。下山しても素晴らしい景色。
上の写真は、春遊亭・上の茶屋。
広沢池のほとりに佇む、数寄屋造りの美しい建物。
紅葉が周りを彩り、良き日本の秋を感じさせてくれる。

散り紅葉の苔にさす西日の木漏れ日が、晩秋の美しさを語っている。
そして、苑内のところどころに和歌が掲げられている。これも風情があっていいなあ。
一つ一つ読んでいったら、あっという間に日が暮れるよ。

広沢池沿いの小道。
池を横目に見ながらの、鮮やかな紅葉のトンネルなっている。散策していると、気持ちが和む。
もっとも、広い池ぞいの道なので、吹きさらしの風が強くてちょっと寒いけど。

平安郷は、とても混み合う嵐山嵯峨野とは思えない、まさに地上の天国だった。
最後にもう一度、広沢池と鮮やかな紅葉を見ながら、名残惜しく天国から現世に舞い戻ってきた。

帰り際、冷たい風が吹き氷雨が少し降って、もうそこに寒い冬がやってきていることを感じた。
季節の移り変わりはあっという間だね。それはちょっとさみしいけれど、前向きに次の季節に進んでゆこう。

PENTAX K-3II with SIGMA 17-70mm F2.8-4 & PENTAX 50-200mm F4-5.6


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