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もののけ姫のモデルとなった京都雲ヶ畑・志明院の石楠花

by Cosmos

京都の北山の中に、ジブリ映画「もののけ姫」のモデルになった場所がひっそりとあるという。
それは雲ヶ畑・志明院(しみょういん)。
志明院は京都の街中から遠く離れた山の中。行こうにもバスは一日2便、しかも最寄りのバス停から20分以上も歩くという、とても不便な場所。
そんな不便さゆえ、もののけには居心地がいいのかもしれない。

この志明院の春の名物である、石楠花(シャクナゲ)が満開になったと聞いて、そんな不便な場所にちょっと頑張ってお出かけしてみた。

岩屋山志明院 公式ツイッター https://twitter.com/shimyouin

交通の不便な場所だけど、実は自分のような地元民には自家用車という飛び道具があるのだ。家からドアツードアだよ!
と意気込んで車を走らせてはみたものの、山道をクネクネと行くのでなかなか大変。
志明院に近づくと道はますます狭くなり、この道で合っているのかと心配していると、やっと志明院が見えてきてほっとした。

さあ、駐車場に車を置いて、志明院の中へと向かうよ。

駐車場から志明院への階段。
石段からすでに苔むしていて、早くももののけ姫の神秘的な世界に入り込んでゆく。
階段を登ると、そこは志明院の入口。

志明院 楼門(山門)

石段を上がると、志明院の楼門(山門)が見える。
おお、楼門の両脇には石楠花(シャクナゲ)が満開。
ピンク色のきれいな花を咲かせていて、鮮やかになってきた緑の色とよくマッチして美しい景色になっている。
さて、いよいよ山門から奥に入ろう。この奥には、果たしてもののけ姫の世界が広がっているのだろうか?

と書いてはみたものの、残念ながらここから先は撮影禁止。上の山門の写真も、2~3枚だけ撮っていいと許可されてやっと撮れたくらい。
霊場であることや環境保護のために、撮影禁止にしているとのこと。

石楠花(シャクナゲ)

写真は撮れないけど、この目で志明院の境内をしっかりと見た。
確かにもののけ姫の舞台のシシ神の森のような、鬱蒼として苔むした森の光景が広がっていた。
境内には、京都の街中を流れる鴨川の源流の清らかな水の滝や、崖にある暗くて大きな岩窟もあり、苔むした森と相まって、とても独特な、現世とは思えない世界に来たかのような雰囲気を醸し出していた。
そこらじゅうにもののけが隠れていても、なんの不思議もないような世界がそこにあった。

もののけ姫の舞台はご存知、屋久島の森を模したものだけど、宮崎駿監督がもののけ姫を着想したのは、作家の司馬遼太郎から志明院の話を聞かされたことに始まるという。
だから、ここ志明院はもののけ姫のモデルとなった場所。
志明院の境内を見ていると、宮崎駿監督や司馬遼太郎先生でなくても物語が生まれそうな想像力が掻き立てられる。

著莪(シャガ)の花も満開

志明院で拝観できる場所はそれほど広くはない。
境内はそこから手付かずの自然が残る山奥へとつながって広大なのだろうけど、宗教上の理由や熊などの危険があって入れる場所は限られる。30分もあれば見て回れるくらい。
でも、あまりの神秘的な雰囲気にしばらくその場に身を置きたくなって、かなり長い時間佇んていたような気がする。どうやらその間は現世のことなど忘れ、心は別の世界に旅立っていたようだ。

しばし佇んでいると、つい1時間前まで居たいつもの生活場所がなんだか遠い遠い世界のように思えてきた。
これはちょっと危ないかもしれない。このまま心が別の世界に引っ張られるかもしれない。
そんな強い引力を感じたので、名残を惜しみながら車に乗り込み、もう一度振り返って霊的な世界を目に焼き付けて、えいやっとばかりに下界へとハンドルを切った。

志明院はその独特な雰囲気はもちろん、交通不便な場所にあることも手伝って別世界へとトリップした感覚に陥る。その世界を写真で紹介できないことは残念ではあるけれど、手軽に見られないのは神秘的でもある。
ここは山奥の静かな場所なので、あまり多くの人に知られてもののけに迷惑をかけたくはないが、是非もののけや修行者の邪魔にならないように静かに訪ねてみて、その神秘的な雰囲気を身体で感じてもらえればと思う。

PENTAX K-3II with SIGMA 17-70mm F2.8-4

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