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一人きりで初秋を感じる京都北嵯峨・直指庵

by Cosmos

大混雑の嵐山嵯峨野から北に進んだ端の端、山が迫る場所にひっそりと直指庵(じきしあん)はある。
交通は不便で人気は少ない。
気持ちを落ち着けようと、ひとりで静かに訪れる人が多いという。
そんな、知る人ぞ知るお寺を訪ねた。もちろん自分もひとりで。

直指庵入り口
直指庵入り口

ここは近くに駅もなく、バス停からも坂道をかなり歩かないといけない不便さ。
狭い路地をレンタサイクルで山の方に登ってゆくと、やっと入り口が見えた。

入り口を入ると、嵯峨野名物の竹林が美しい。
かの有名な野宮神社前の竹林の混雑ぶりが嘘のように誰もいない。
竹林を見ながらゆっくり進む。

本堂(庵)
本堂(庵)

ほどなく本堂が見えてくる。
庵というくらいの小さな建物が緑の中に佇んでいる。
そして誰もいない。季節はずれの蝉の音だけが遠くから聞こえる。
静かだ、心が落ち着いてくる。

中に入って、ご本尊に手を合わせる。残念ながら中は撮影禁止。


この庵には「思い出草」というノートが置いてある。
机の上にA4版のノートが数冊、机の上に。訪ねた人はこのノートに想いを書き込む。

庵では女性がひとり、一生懸命に書き込んでいた。
その横で別のノートを拝見する。書かれているのは直指庵の感想から辛い思いまで様々。女性が書いた恋の悩みが目立つかな。
長文も多く、中には1ページにわたる書き込みもある。いろんな人がいろんな思いをノートに書いて、京都の端のこの地にその思いを捨ててゆくのだろう。
自分も少しだけ書いてきた。

この思い出草ノートはかなり前にマスコミで話題になって、小さなお寺に一時はとてもたくさんの人が訪れたらしい。女性の駆け込み寺と言われたことも。
今はそんなブームも去って、静かに訪れることができるのが嬉しい。

愛逢い地蔵
愛逢い地蔵

庵の外に出て、静かに歩く。やはり誰もいない。隠れ寺のようにも言われるのも分かる気がする。
誰にも心を乱されず、穏やかな気持になることができた。
ここは緑も美しいが、紅葉の季節もまた素晴らしいそうだ。

最後に、この詩を。
直指庵の魅力をとても上手く表現されていると思う。

直指庵は 雨の日に 訪れるのがいい
濡れそぼる 竹林の緑が 目にしみるから……

直指庵は 晴れた日に 訪れるのがいい
緑先から見える 嵯峨野の空が 目にしみて
風にそよぐ 葉ずれの音が 心にしみるから……

直指庵は もやの日に 訪れるのがいい
直指庵は 雪の日に 訪れるのがいい

直指庵は 耐えきれない 悲しみを ひきずって ひとりで 訪れるのがいい
直指庵は 抱えきれない 幸せを 抱きしめて ふたりで 訪れるのがいい

直指庵は いつの日も 心のふるさと……
詩人 藤公之介 直指庵HP

PENTAX K-3II with SIGMA 17-70mmF2.8-4



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